スタッフバッグ


 装備類をザックに詰める際はそのまま詰め込んではいけない。必ず水に放り込んでもいいくらいに完全に防水してから詰め込むこと。
 テント内は湿度100%をこえ、氷点を超えているのでついた雪はいつの間にか水になり、常に持ち物がぬれやすい。
 
 大学時代、正月にスタッフバッグを落としてしまったことがあり、夏に下の沢を遡行した人が拾って丁寧にも送ってくれたことがあったが、中に入れていたものは文庫本を含めて完全な状態であった。そのくらいにしておくべきであろう。
 
 防水の際は今時油紙に包んで…などという人はいないのでビニール袋等を使うことと思うが、こいつらは非常に破れやすい。 
 冷凍食品用のファスナー付きの袋が厚手で、低温時でもファスナー部分が比較的使いやすいので一般的に利用されていると思う。
 スーパーやコンビニでただでくれる袋なども手軽でよいがこいつはすぐに破れる。
 そこで、ビニール袋に入れた上でスタッフバッグと呼ばれる巾着袋に入れてパッキングする。中が防水してあることが前提なので素材は何でもよい、と思われるのだがこれも少し考えた方がよい。
 
 一般的に登山用具店で売られているものはそれなりに便利なように作られているのでそれを買うのが手軽でよろしい。ただ、意外に高価なので代用できるものは代用した方がよいと思う。
 
 綿などの素材は一旦湿ってしまうと凍ってしまって不便であるので凍らない素材が望ましい。合成繊維のつるつるした手触りのものの方が詰め込んだり取り出したりするときに摩擦が少なくスムーズにいくと思う。
 
 サイズは大きいものから小さいものまで、四角いただの袋から丸底のものまであるので入れるものの形状に応じて準備したい。
 同じものをたくさん用意するよりもいろいろな形や色、大きさのものを用意しておき、いつも入れるものを決めておくと一目で内容がわかってよい。
 昔は番号を書いたり内容物を書いたりしたが、読むこと自体面倒だし、暗い中ヘッ電で探すときにも不便であった。一目でわかることが望ましい。
 
 あと持っていると便利な大きさとしては巨大なもの。下半身がすっぽり入るくらいの大きさのものを持っているとテントに入ったとき私物を全部放り込んでしまえるので便利である。
 ビバークの時には足を入れることもできる。
 
 また、スタッフバッグの防水性を過信しないこと。山道具やで売っているスタッフバッグはほとんどが防水素材でできているが、低価格のものは縫い目を目止めしていないので水がしみこんでくる。目止めしてあるものでもしばらく使っていると少しずつはがれてくるし、出し入れ口は防水してあることが少ないのでこれも、いつの間にか水がもることになる事は確実である。防水素材だからといって中のものを防水することを怠ってはいけない。
 
 シュラフ用スタッフバッグは標準についているものを使わずに大きめのものに取り替えて、シュラフカバーにシュラフを入れたままたたんでおくと、寝る前の非常に面倒な手順が省略できてよい。シュラフを出したあとは柔らかめのもので使わないもの(予備衣類等)を詰め込むと具合のよい枕が完成する。
 
 天幕用スタッフバッグは大きめにできていることが多いと思うのだが、たたむのになれていないと入らなくなることが多いようである。特に凍り付いてしまうと入らなくなる場合があるのでそのままザックにくくりつけることが多い。これは帰りの車中で網棚などにザックを乗せておくと天幕が溶け出して芳香漂う雨が座席に降ることになるので、テントたたみに自信がない向きは大きめのスタッフバッグに替えておくか、大きめのビニール袋を持っていくことをおすすめする。

 ストーブ用スタッフバッグは昔、難燃素材のノーメックス製のものがあってこれは便利だった。別に熱いままストーブをつっこめるからというわけではない。ストーブを出したあと、中に手を入れて手袋代わりに使えたのである。多少値が張ったが今でも便利に使わせていただいている。厚手の綿製のものも使ったが、これは凍って具合が悪かった。
 
 大きめのものならキジ撃ちの時にテントシューズの上からはいてスパッツをつけ、手軽にテントの外に出られる。この場合、非常に滑りやすいので安全なところ以外ではしないこと。また、スタッフバッグにキジが付着するというリスクも伴う。
 
 高校時代、ヤマケイの景品で当たったゴアテックスのスタッフバックを後生大事に使っていたMDくんという方がいたが、安いもので充分だと思う。安すぎると縫製で手を抜いてあって使っているうちにほつれてくることもあるので、縫い目は確認して貧弱であったら補強しておく。
 
 なくても何とかなるものであるが、ないと不便なので必要に応じて準備すること。